広尾 峰岸産婦人科 since 1931 Tokyo

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NTとは?厚いと言われたらどうする?

NT(nuchal translucency:胎児後頸部透亮像)は、妊娠11〜14週頃の超音波検査で赤ちゃんの首の後ろにみられる液体貯留による超音波像です。

NTは正常な胎児にもみられますが、厚くなるほど染色体疾患や心臓をはじめとする胎児の形態的異常などとの関連が高くなることが知られています。

ただし、「NTが厚い=赤ちゃんに病気がある」ということではありません。NTの厚さだけで診断するのではなく、妊娠週数、NTの程度、胎児の形態、これまでに受けた検査などを総合的に評価し、その後に必要な検査を考えることが大切です。

NTとは何ですか?

NTは「nuchal translucency」の略で、妊娠初期の超音波検査で赤ちゃんの首の後ろにみられる透亮像を指します。

NTは病名ではなく、妊娠11〜14週頃の胎児にみられる超音波所見です。

超音波検査では、胎児の大きさや姿勢など一定の条件を満たした状態でNTを測定します。正確に評価するためには、適切な時期と方法で測定することが重要です。

NTが厚いとはどういう意味ですか?

NTの厚さは胎児の大きさや妊娠週数によっても変化するため、単純に一つの数値だけで正常・異常を判断するものではありません。

一般にNTが厚くなるほど、染色体疾患や胎児の形態的異常などがみられる可能性が高くなることが知られています。

一方で、NTが厚くても、その後の検査で染色体や胎児の形態に明らかな異常が認められず、正常に経過する場合もあります。

したがって、NTはそれだけで病気を診断するものではなく、その後の評価を考えるための重要な超音波所見の一つと考えることが大切です。

NTが厚いと、ダウン症候群なのでしょうか?

NTが厚いという所見だけで、ダウン症候群(21トリソミー)と診断することはできません。

NTの増大は21トリソミーだけでなく、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体疾患との関連がみられることがあります。

また、染色体に異常が認められない場合でも、先天性心疾患をはじめとする胎児の形態的異常などとの関連がみられることがあります。

そのため、NTが厚い場合には「染色体疾患があるかどうか」だけではなく、胎児全体を評価することが重要です。

NIPTが陰性でもNTが厚いことはありますか?

はい。NIPTが陰性であっても、NTが厚くみられることはあります。

当院で行っている認証NIPTは、主に21・18・13トリソミーの可能性を調べるスクリーニング検査です。

一方、NTの増大は、NIPTの対象となる染色体疾患以外の遺伝学的な要因や、胎児の形態的異常などと関連する場合があります。

そのため、NIPTが陰性という結果だけで、NT増大についての評価がすべて終了するわけではありません。

NTが厚いと言われたら、どのような検査を考えますか?

まず、妊娠週数や胎児の大きさを確認し、NTを適切に評価するとともに、胎児の身体や臓器の形態を詳しく観察します。

そのうえで、NTの程度、その他の超音波所見、これまでに受けた出生前検査などを総合的に考えます。

必要に応じて遺伝カウンセリングを行い、NIPTなどのスクリーニング検査や、羊水検査などの確定的検査についてご説明します。

どの検査が適切かは一律ではありません。NTの程度や超音波所見、妊娠週数、ご本人の希望などによって異なります。

NTだけでなく胎児の形態を見ることが重要です

妊娠11〜14週頃の超音波検査では、NTだけを測定するのではなく、赤ちゃんの身体や臓器の形態を観察することも重要です。

この時期には、妊娠初期でも確認できるさまざまな形態的異常があります。

当院の初期精密超音波検査では、NTだけでなく、胎児の身体や臓器の形態などを詳しく評価します。

「NTが何mmか」という一つの数値だけを見るのではなく、目の前の赤ちゃんを総合的に評価することを大切にしています。

その後の胎児超音波検査も重要です

妊娠初期の精密超音波検査で明らかな異常が認められなかった場合でも、それですべての胎児の形態的異常を否定できるわけではありません。

胎児の身体や臓器は妊娠とともに発育するため、妊娠が進んでから明らかになる異常もあります。

特にNTの増大が認められた場合には、その後の妊娠週数に応じた詳細な胎児超音波評価が重要になります。

NTが厚いと言われても、結果だけで結論を急がないことが大切です

「NTが厚い」と言われると、不安になる方は少なくありません。

しかし、NTは診断そのものではありません。NTの程度や胎児の形態、遺伝学的検査などを組み合わせて、その所見が何を意味するのかを一つずつ評価していく必要があります。

当院では、検査で得られた情報について専門的な立場から十分にご説明したうえで、必要な検査やその後の方針について一緒に考えていきます。

よくある質問

NTは何mmから異常ですか?

NTは胎児の大きさや妊娠週数によっても変化するため、一つの数値だけで正常・異常を判断するものではありません。NTの程度だけでなく、妊娠週数や胎児の形態などを含めて総合的に評価します。

NTが厚いとダウン症候群ですか?

いいえ。NTが厚いという所見だけでダウン症候群と診断することはできません。染色体疾患との関連はありますが、胎児の形態的異常などとの関連もあるため、必要に応じて詳しい評価を行います。

NIPTが陰性ならNTが厚くても大丈夫ですか?

NIPTが陰性でも、NT増大について別の評価が必要になる場合があります。NIPTは主に21・18・13トリソミーを調べる検査であり、NT増大と関連するすべての原因を調べる検査ではありません。

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執筆・監修:広尾 峰岸産婦人科 院長 峰岸一宏
産婦人科専門医・超音波専門医・臨床遺伝専門医/医学博士
最終更新:2026年9月